ASAKUSA RHAPSODY

現在田舎の片隅で細々と暮らしている私であるが、一応電車一本で東京都区内まで足を運ぶことは可能である。よって、テレビのグルメ番組で美味しそうなお店が放送されたりなんかした暁には・・・

「行けない距離でもないんだし、何時か食べに行ってみたいよね~」

などと、乾いた笑顔で命令まがいのおねだりをされたりもする。そんな時、私は決まって魂の抜けきったような声で「そうだね~、美味しそうだね~」と答えるのだが、何時までも遠いから無理だというやんわりとしたお断りが通用する距離ではない。よって、ボチボチ黄泉の淵から舞い戻ってこない事には、本当に三途の川を渡らなければならないほどボコボコにされても文句は言えまい。

よし、それではレッツ・ゴーである。

 

早速、浅草駅に降り立った私達。とりあえずお決まりの浅草寺へ向かうために歩き始めると・・・何と道端では、カップ酒をあおりながらフラフラと千鳥足になったオッサンたちが、競馬新聞を片手にすっかり出来上がっているではないか!

ほほう、流石は浅草六区。郷に入っては郷に従えの言葉通り、私たちも朝っぱらから一杯やることにしよう。

 

浅草名物の電気ブランではなく、コレはただのハイボール。一杯だけのつもりが、ついつい三杯四杯と悪い癖だ。「飲みすぎだよ!」と注意する妻も既にジョッキで三杯目、「私はビールだもん」という屁理屈が通用する訳がないだろうっ!!

と、言える筈もなく、そうですね、飲み過ぎですね、すみません。と謝る私。

 

さて、大人はすっかり満喫したので、後は子供を楽しませる番だ。浅草に来たならば、それはもう、泣く子も黙る「花やしき」で決まりだろう。しかし、まだ早い時間だから空いていると思って余裕をかましていたら、何やら結構な混雑ぶりであり、どのアトラクションに乗るのも待ち時間がある様子。いつの間にこんな人気スポットに様変わりしたというのか?

すごいぞ!花やしき!!

 

そんな中、娘が指さしたのは、こともあろうに花やしき史上、最強・最速の絶叫マシン。地上60mまで一気に上がり、すぐさま急降下。あなたはこの恐怖に耐えられる?

だとさ。

何時も威張り散らしているオヤジが、怖いからイヤだとも口に出せず、空前絶後の地上60m地点でのリバースを覚悟の上で列に並ぼうとすると、「酒気を帯びた方のご搭乗は固くお断り申し上げます。」の看板が。なんでぇ~べらんめぇ、こちとら酒気どころか酒呑童子様におわしますぞ!と、ばかりにそそくさと退散を余儀なくされた。ラッキー。

えらいぞ!花やしき!!

 

それならば・・・と代わりに乗り込んだのがこのタクシー。無免許運転の上、お土産代という法外な乗車賃を請求するなど、明らかな青少年保護育成条例違反であるというのに・・そんなことなど、まるでお構いなし。

もう、好きにしやがれ!花やしき!!

 

最後の締めは、この界隈では有名なパーラーへ立ち寄ることに。コレは息子が注文した定番のチョコバナナパフェ。残りの皆は、以前の投稿で取り上げた苺パフェにほっぺが落ちそうになった。

 

身も心も満足した最高の気分であるからにして、帰りしなに見つけた飴細工のおねだりなどお安いものだ。

「ゾウさんか?それともウサギちゃんか?」

珍しく目じりの下がった私の笑顔をよそに、我が子がオーダーしたのは・・・サソリにカマキリ。親に似ぬ子は鬼の子だとは言うものの、我が子ながら良いセンスをしてると思わず目頭が熱くなってしまった。将来が非常に楽しみである。

 

てなわけで、安く済まそうと思って浅草を選んだつもりが、却って高くついたような気がしないでもない。「次は銀座で寿司が食べたい~~!」とか何とか聞こえる様な声で呪文を唱えている誰かの存在には気付いたが、残念ながら私の耳は日曜日である。今は全力で聞こえないフリをしているのだから、どうか皆様お察し願います。

何れにせよ、珍しく平穏で幸せな休日を送った我が家なのであった。おしまい。

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Author : Shigeki

 

元来、活動そのものよりも、むしろ道具集めに熱心なタイプの自称アウトドア派であった。最近は体調不良という理由に託け、休日の度に一日中インドアでダラダラしている男がいたとするならば、それは間違いなく私の事である。

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