Mono Ludens Style Vol.1 「Soloist」

何となく、ソロキャンプに出掛けることがある。

特段アウトドア活動が好きとは思わないし、行きたい場所がある訳でもない。

それなのに何故、しかも、よりによって一人なのだろうか。

単独行動で寂しくないのか。遊ぶ相手が居ないのに楽しいのか。そもそも友達が存在しないのではないか。

・・・油断していると、耳にタコどころかイカすら出来てしまう程に聞き飽きたセリフ達である。

しかし、私から言わせて頂くとこうだ。

沢山の人と連れ立って気疲れしないのか。全員と話が合う訳でもないのに楽しいのか。そもそも本当に友達なのだろうか。

少しネガティブ発言のような気もするが、しかし、決して少数派の意見とは思わない。

自分だけの自由時間をこよなく愛す、そんな我が儘で贅沢な一時に至福を感じる「Soloist」は私だけでは無いはずだ。

そして日が暮れると、使い道も無いお湯を焚火で沸かして見たりする。激しく燃え上がる炎、それに共鳴するかの如く爆ぜる薪の音色とは裏腹に、眺めれば眺めるほどに心が落ち着いて行くから不思議だ。勿論、焚火は楽しい。それは紛れもない事実である。しかし本当の理由は、一人っきりで何をやっているのかという、そんな周りの視線から逃れるための行為なのかも知れない。本人が思っている程、周りは気にも留めていない事を百も承知の上なのだが。

娯楽の光と影が入り混じった炎に夜更けまでくべられ、罪もない鍋は煤で真っ黒だ。こいつを綺麗にするのは相当骨が折れるだろう。まぁ、周囲の目ばかりが気になり、結局孤高になり切れなかった代償であるのなら、致し方なしと言ったところか。

という何とも言い難いブルーな気持ちを払拭するのは、更にダークブルーな朝の一瞬。これを見たいがために・・・などと申すつもりは毛頭ないが、それでも私はこの幻想的な空間に身を置くことが大好きだ。この群青に光が差すまでの間、誰にも邪魔をされない感動にしばし言葉を失う。

余韻に浸りつつ、夢見心地というか完全に二度寝である。普段の生活ならばアウトなのだが、それもソロキャンプなら全て許される。文句を言う人間は誰もいない。あとは自分の好きなように、朝食を食べるもよし、思い切って三度寝するのも一興だ。これぞ「Soloist」の真骨頂。

などと、もっともらしい理由を並べ奉って見た私であったが、楽しい時間が永遠に続くことはない。もうしばらくすれば、帰宅しなければならないのだ。特段アウトドア活動が好きとは思わないし、ここに来たかった訳でもない。それなのに何故、こんなにずっとこの場所に留まりたいと願うのだろう。

・・・理由は何となく、いや、はっきりと分かっている。だからこそ、何時までも夢の中には居られないのだ。

さて、そろそろ現実社会へ戻ろうとしよう。ダメ親父と呼ばれ続けるあの場所へと。

 

Profile

Author : Shigeki

 

元来、活動そのものよりも、むしろ道具集めに熱心なタイプの自称アウトドア派であった。最近は体調不良という理由に託け、休日の度に一日中インドアでダラダラしている男がいたとするならば、それは間違いなく私の事である。

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